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「民主党の仲間にも、若くして地盤も資金もない身一つで政治の世界に飛び込んだ人がたくさんいる」
首相は所信表明でこう述べた上で、「志をもって努力すれば誰でも政治に参加できる。そういう政治を創ろう」と発言した。組織力や資金力を背景に組織内議員を当選させてきた連合頼みの選挙戦に、否定的であるかのようにも聞こえる。
辞任した小沢一郎幹事長の周辺を排除する“小沢外し”の姿勢が顕著な首相にとって、小沢氏に近い輿石東参院議員会長(日教組出身)、高嶋良充参院幹事長(自治労出身)ら連合傘下の公務員労組系議員は、最もけむたい存在でもある。
枝野幸男幹事長が就任翌日の8日にまず訪れた団体は、連合ではなく経営者側の団体である日本経団連で、連合との会談は後回しとなった。連合サイドは「古賀氏が出張のため、その時間しかとれなかった」と説明するが、産別労組幹部からは「枝野氏が最初に連合を選ばなかったのは残念だ」との声も漏れた。
小沢氏の幹事長時代、小沢氏と連合幹部の地方行脚は民主党の選挙戦になくてはならないものだった。枝野氏も同様に実施することで合意しているが、連合は「地方の組合員と頻繁に会ってきた小沢氏と同様の親密な関係を枝野氏と築けるとは思えない」(地方労組幹部)と危惧(きぐ)している。
古賀氏と小沢氏は5月19日に鳥取県を訪問し、連合と民主党の二人三脚の地方遊説がスタートしたばかりだった。枝野氏との行脚日程は決まっていない。
50人超の組織内議員を民主党に送り込む連合は、首相にとって無視できない存在ではあり、11日の会談で首相と古賀氏は笑顔で握手を交わした。だが、双方が間合いのとり方に悩む日々は当分続きそうだ。
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